2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は15日、観客向けの新たな暑さ対策として、屋外の競技会場に仮設で水飲み場を設けると発表した。「特例措置」として1人当たり1本に限り持ち込みを認めることにしたペットボトルについては、ノンアルコール飲料で750ミリリットルを上限とした。

ボランティアにも水入りペットボトルを最大4本支給する方向で調整を進めるという。アスリート向けは、アイスバスなどで使えるよう1360トンの氷を用意する。

大会組織委や東京都などは今夏のテストイベントで大型冷風機や休憩所の設置、うちわや紙製帽子の配布など様々な暑さ対策を試行した。検証した結果、対策を追加することにした。

屋外会場に設ける仮設の水飲み場では、500〜3000人に1つの割合で蛇口を設置する。

警備上の観点から近年の大会ではペットボトルの会場への持ち込みは禁じられていたが、組織委はスポンサーのコカ・コーラとも協議した上で特例措置として容認。持ち込む際は入り口で本人が試飲して安全であることを示す必要がある。水筒の持ち込みも認める考えだが、容量については今後検討する。

ボランティア向けには屋内会場で2本、屋外会場で4本のペットボトルの飲料水を支給するほか、全会場に専用の給水器を設置する方向で調整している。

組織委はトライアスロンと水泳オープンウオーターの会場となるお台場海浜公園での水質調査結果も発表した。一重の水中スクリーンを設置した8月7〜18日に内側で大腸菌類が基準値を超えた日は1日だけだった。水の汚れ具合を示すCOD(化学的酸素要求量)については、スクリーン内で基準値を超えた日が8日あった。
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