https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-50429406


【解説】 なぜウクライナはアメリカにとってそれほど重要なのか
2019/11/15

ジョナ・フィッシャー、キーウ(キエフ)特派員

ドナルド・トランプ米大統領は、自分の政治的な目的を理由に、同盟国ウクライナへの軍事援助を停止したのだろうか――。これが、米野党・民主党が推し進める弾劾調査の核心にある大問題だ。

ウクライナは大西洋条約機構(NATO)に加盟していない。そして、国内にはびこる汚職問題に長年苦しんできた。しかし、今後は地政学的に重要な国になっていく可能性がある。

なぜウクライナはアメリカにとって重要なのか

1991年のソ連崩壊に伴いウクライナが独立してから28年間。最終的にロシア側の国になるのか、それとも西側諸国と足並みをそろえるのか、不透明な状態が続いてきた。
2014年になると、その不確かな状態は終わったかのように見えた。流血の民衆革命の後、ウクライナの新指導者たちは、欧米とより密接な関係を築く方向に国の未来の舵を切ると表明した。敵扱いされたロシアは、クリミア併合で応じ、ウクライナ東部の親ロ武装勢力を支援。この戦いによる死者は13万人以上に達する。

オバマ政権は、ウクライナの将来はウクライナ人が決めるという自己決定権や、ロシアの侵攻に対抗することを、思想的原則として重視していた。
しかしそれは、トランプ大統領の就任で一変した。そしてウクライナ政府はそれ以来、前のようにアメリカの積極的な支援に頼れなくなった。

アメリカの軍事援助の額は

アメリカとウクライナ軍の間には、長年にわたる関係性がある。アメリカは2014年以降、総額約15億ドル(約1600億円)もの軍事支援をウクライナに提供してきた。
その大部分は、ウクライナ軍の時代遅れな仕組みや動き方の近代化や、兵士の訓練に使われてきた。
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