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北海道 泊原発の断層を調査 原子力規制委
2019年11月15日 18時27分各地の原発

北海道電力泊原子力発電所の再稼働の前提となる審査を行っている原子力規制委員会は、敷地にある断層が活断層かどうか判断するため15日、現地調査を行いました。断層の評価は泊原発の審査の結果に大きく関わることから、今後の委員会の判断が注目されます。

北海道電力は東日本大震災のあと停止している北海道泊村の泊原発1号機から3号機すべての再稼働を目指していて、原子力規制委員会に審査を申請しています。

15日は規制委員会の石渡明委員など11人が、泊原発を訪問し1号機の西側を南北に走るF-1断層と呼ばれる断層を調査しました。

この断層について北海道電力は「評価の結果、活断層ではない」としていますが、規制委員会はことし2月、データが不十分との見解を示し、追加の掘削調査が行われていました。

委員たちは北海道電力の担当者から説明を受けながら、深さ5メートル付近にある断層の断面などを観察していました。

規制委員会は今回の調査で得られた情報をもとに、改めてこの断層が活断層かどうか、評価することにしています。

原発の新しい規制基準では12万年前から13万年前の「後期更新世」時代より後に動いたと認められる断層は活断層とし、地震が起きた際に、施設の安全性が確保できないと判断された場合は、審査に合格できません。

調査のあと原子力規制委員会の石渡委員は「北電の説明に対して大きな異論はないが、まだデータが不足しているので今後の審査で説明を求めていきたい」と話していました。

泊原発のF-1断層

F-1断層は、泊原発1号機の西側を南北に通る長さおよそ360メートルの断層で、これが将来、動く可能性がある活断層かどうかが、原子力規制委員会のこれまでの6年間の審議でも大きなポイントになってきました。

活断層について規制委員会は12万年前から13万年前の「後期更新世」時代より後に動いたと見られる断層を活断層としています。

これについて北海道電力は当初は、地層の火山灰の情報に基づいていましたが、途中からは海側にある階段状の地形などに基づいて評価をして、F-1断層はこの33万年の間活動した痕跡は認められず、活断層ではないと説明しています。

こうした中、規制委員会はことし2月に地質のデータが不十分で「活断層であることは否定できない」という見解を示し、北海道電力が追加の掘削調査を行っていました。

北海道電力はこの掘削調査で得られた新たなデータをもとにしても、F-1断層は活断層ではないとの評価を今月示しています。