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高齢化時代の相続税対策
バブル期の相続対策が裏目「80歳女性」苦節の30年
広田龍介 / 税理士2019年11月17日
 A子さん(80)は賃貸マンションを経営している。バブル真っ盛りのころ、銀行から「相続対策になる」と提案され、まだ元気だった夫と2人でその気になった。多額の融資を受け、1990年にマンションが完成した。

賃料水準は当初の半分に

 当時示された収支計算書では、賃貸契約が2年で更新するごとに賃料は5%上昇していく計画だった。収益は順調に伸び、借入金の返済も問題なし――。すべてバラ色のはずだった。

 「所得税の節税対策になる」と勧められるままに不動産管理会社も設立した。会社に管理業務を委託すれば「…

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