北方領土返還要求運動の啓発事業に充てるため、道がインターネット上のクラウドファンディング(CF)で募った寄付が4人からの1万5千円にとどまり、目標額約415万円の1%にも満たなかった。道は民間から資金を集めて政策に生かす取り組みに力を入れているが、専門家からは周知方法に工夫を求める声が上がっている。

 今回のCFはCF運営会社「アクトナウ」(札幌市)に委託し10月4日から11月15日まで実施。道によると、アクトナウと寄付額の約1割を支払う契約をしており、道の収入は1万3500円程度になる見込み。

 道は鈴木直道知事の公約事業「ほっかいどう応援団会議」や道のホームページ、会員制交流サイト(SNS)などで寄付をPR。道内経済団体や道内外の北方領土返還運動関連の団体にも呼び掛けた。ただポスター掲示や報道、マスコミを通した広報は少なく、反応がほとんどないまま期限を迎えた。

 道は寄付を、道内の中高生が根室管内で漁業などを体験する事業や、中高生が根室市で元島民の話を聞く事業などに使う想定をしていた。道は寄付金が少なかった時に備えて経費を予算に盛り込んでおり、事業は予定通り行う。

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11/17 00:33 北海道新聞
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/365513/