スーパーコンピューターの開発を巡り国の助成金をだまし取ったとして、詐欺などの罪に問われたスパコン開発会社「ペジーコンピューティング」(東京)の前社長、斉藤元章被告(51)の公判が3日、東京地裁で開かれ、検察側は懲役8年を求刑した。来年1月14日に弁護側が最終弁論して結審する予定。

検察側は論告で「負債の返済や会社の資金繰りのために助成金制度を悪用した利己的な犯行」と指摘。「公的な性質がある助成金を私物化した極めて悪質な事案で、制度の趣旨や目的をないがしろにした」と述べた。

起訴状によると、助成事業にかかった開発費を水増しした虚偽の実績報告書を新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に提出し、2014年3〜4月に助成金約6億5300万円をだまし取ったとしている。さらにペジー社の法人税約2億3千万円を脱税したなどとしている。

法人税法違反などに問われた法人としてのペジー社は昨年9月、罰金6千万円の判決が言い渡された。〔共同〕

2019/12/3 11:13 (2019/12/3 11:58更新)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52886000T01C19A2CE0000/