タイ 政府へ抗議表明のランニング大会 若者ら約1万人参加
2020年1月12日 17時37分
去年、民政復帰したタイで、政府への抗議を表明するランニング大会が開かれました。タイではクーデターを主導し、暫定政権を率いたプラユット氏が選挙後も首相についていて、若い世代を中心に反発が続いています。
ランニング大会は12日朝早く、首都バンコクの公園で開かれ、主催者によりますと、1万人余りが参加しました。
タイでは去年、民政復帰したあとも軍出身のプラユット氏が政権を率いていることに若者を中心に反発が続いていて、大会に参加した人たちは「プラユット首相は出ていけ」と声を上げたり、首相になぞらえたイラスト入りのTシャツを着たりして、およそ2.5キロを走りました。
タイでは2014年のクーデターの後、5人以上が集まる政治集会が禁止され、現在は認められているものの、公共の場での集会は届け出が必要です。
主催した学生活動家たちは、ランニング大会を通じて市民が政府に抗議する場を確保したかったとしていて「政府は権力の乱用をやめ、人々に権利と自由をもたらさなければならない」と主張しています。
また、大会には去年の選挙で軍政からの脱却を掲げて躍進し、現在、憲法裁判所に解党を申し立てられている野党の党首も参加し「民主主義を取り戻すには首相は退陣しなければならない」と話していました。
一方、12日はバンコクの別の公園でプラユット首相を支持するウォーキング大会も開かれ、政権に賛同する人たちと反発する人たちの双方が野外で主張しあう1日となりました。