https://mainichi.jp/articles/20200114/k00/00m/030/220000c


プラハが台北と姉妹都市に 反中国姿勢鮮明 上海は協定破棄を表明
毎日新聞 2020年1月14日 20時50分(最終更新 1月14日 20時50分)


 東欧チェコの首都プラハ市と台北市が13日、姉妹都市協定を結んだ。プラハ市は中国・北京市と台湾問題を巡って対立し、2019年10月に北京との姉妹都市協定を破棄したばかり。台北市との協定計画に中国政府は激しく反発し、上海市は14日、「粗暴に内政干渉した」としてプラハ市との友好都市関係の即時破棄を表明した。ただ親台派のフジブ・プラハ市長は意に介さず、台湾では称賛の声があがっている。


 チェコは中国主導の巨大経済圏構想「一帯一路」に参加しており、ゼマン大統領は親中派で知られる。首都が中央政府の対中国政策に反する行動を取るのは異例。フジブ氏は12日付の独メディアで、中国の経済力を優先するチェコ政府の姿勢について「自らの価値観を放棄してはいけない」と改めて批判した。

 プラハ、台北の両市長は13日、プラハ市内で協定書に署名した。フジブ氏は両市が「民主主義や人権の重視」などで価値観が共通していると強調。柯文哲・台北市長は「北京(中国政府)はプラハが世界のどの都市とも姉妹都市協定を結ぶ権利を制限すべきではない」と中国を批判した。

 フジブ氏はリベラル政党「海賊党」に所属し、18年に市長に就任。台湾留学経験もある。北京市との姉妹都市協定に台湾を中国の不可分の領土とする「一つの中国」原則が入っていることを非難し、中国と対立していた。市役所にチベット亡命政府の旗を掲げたこともある。【ウィーン三木幸治、台北・福岡静哉】


協定書に署名して撮影に応じるフジブ・プラハ市長(右)と柯文哲・台北市長=プラハで2020年1月13日(台北市役所提供)
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