https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54397610V10C20A1000000/


上海市、プラハとの姉妹都市解消 台北と締結に反発
2020年1月15日 3:24


【パリ=石川潤】上海市は14日、チェコの首都、プラハ市との姉妹都市関係を打ち切ったと発表した。プラハ市が2019年10月に北京市との姉妹都市関係を解消し、1月13日に台湾の台北市と同協定を結んだことが原因とみられる。上海市はプラハ市が中台を不可分の領土とする「一つの中国」原則に公然と挑戦しているなどとして反発を強めていた。

上海市はプラハ市との公的な交流もすべて取りやめる。同市はプラハ市が速やかに間違いを認め、具体的な行動を取るように強く求めた。

中国は広域経済圏構想「一帯一路」に基づくインフラ整備などで東欧への影響力を強めており、チェコのゼマン大統領は親中派だ。だが、プラハ市のフジブ市長はリベラル政党の海賊党出身で、市庁舎にチベットの旗を掲げたこともある。これまでも中国を「信頼できないパートナー」などと批判してきた。

チェコなど欧州各国の中央政府は中国との経済関係を重視する立場に傾きがちで、結果として人権問題などへの配慮がおざなりになっているとの批判がくすぶる。今回の問題がチェコと中国の国同士の関係にどんな影響を及ぼすかは不透明だ。