午前5時すぎ、夜間勤務を終えた従業員らが正門ゲートから出てきた。40代の男性従業員は一時停止について「部品が入ってこないのでは仕方がない。長期化するのではないかと不安になる」と落ち着かない様子で話した。
日産九州は14日、17日、24日の3日間、完成車の生産ラインを一部もしくは全部停止し、18〜21日は勤務時間を短縮して生産調整する方針だ。取引先の自動車部品メーカーが中国製の樹脂やバネなどを採用しており、調達に支障が生じているのが原因だ。
工場の最寄り駅でバスを待っていた20代の男性従業員は「台風で休みになることはあったけど、まさかコロナで休みになるとは」と驚きを隠せない様子。14日の勤務がなくなった30代の男性従業員は「最近は残業もなく、生産を抑えている気がしていた」と話した。
隣接地で商用車などを生産する日産車体九州(福岡県苅田町)も15日と22日の操業停止を予定している。取引先の部材メーカーの中にも生産ラインを止める企業があるという。
九州に拠点を置く自動車メーカーの2018年度の生産台数は約143万6千台で過去最高を記録。日産九州は43万4千台で、トヨタ自動車九州(福岡県宮若市)やダイハツ九州(大分県中津市)を抑え、九州最大の自動車生産台数だった。
2020/2/14 11:02
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55616340U0A210C2LX0000/