https://www.swissinfo.ch/jpn/society/%E5%8C%BB%E7%99%82%E5%B4%A9%E5%A3%8A%E3%82%92%E5%9B%9E%E9%81%BF%E3%81%9B%E3%82%88_%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E5%8D%B1%E6%A9%9F%E5%89%8D%E3%81%8B%E3%82%89%E5%8D%B1%E6%A9%9F%E3%81%AB%E3%81%82%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%81%AE%E5%8C%BB%E7%99%82/45666500


医療崩壊を回避せよ
コロナ危機前から危機にあったスイスの医療

Sibilla Bondolfi(本文)&Luigi Jorio(情報提供)
このコンテンツは2020/04/03 17:30に配信されました2020-04-03 17:30


医療機関で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対応に当たる医療従事者を称え、スイスでは毎晩家々のバルコニーから拍手が送られる。一方、スイス政府は医療従事者の労働・休憩時間に関する規制を一時的に緩和した。だが医療従事者の不足はコロナ危機で初めて起きたわけではない。

看護師が過重負荷のギリギリで働いているという状況は、スイスではかねて問題視されてきた。医療従事者の増員や看護師1人当たりが受け持つ患者数への上限設定、待遇改善を求めるイニシアチブ他のサイトへ(国民発議)も提起されている。

平時でも際どかった医療体制は、今どうなっているのか?
極めて負荷の高い状況だ。病院の職員は休憩時間や労働時間の上限(60時間)に関する全ての規制が一時無効になっている。連邦政府はCOVID-19により仕事が大幅に増えている医療部門について、労働規制を一時的に停止する指令他のサイトへを発した。

労働組合・団体からの抗議

スイス公務員協会(VPOD/SSP)他のサイトへは連邦政府の指令を撤回し、医療従事者への危険手当ての支給を求める請願活動を始めた。協会によると、「2日程度で5万5千人以上が署名した」。

同協会のエルフィラ・ヴィーガース氏は、「労働規制の一時停止により、医療従事者が必要としていない不安定とストレスが生じる」と指摘する。他の医療関係者組合と共に、医療従事者の健康を守る措置や十分な休憩時間を確保するよう連邦政府に要求している。

スイス看護師協会他のサイトへのイヴォンヌ・リビ氏は「医療従事者は危機を乗り越えるために異常な量の仕事をこなしている」と話す。「だからこそ、彼らの健康の維持を最優先することが重要だ。医療従事者が欠ければ、最初に困るのは患者たちだ」

swissinfo.ch:平時に医療資源を節約したために、緊急時に医療が崩壊しかねないでしょうか?

イヴォンヌ・リビ:医療に関する最近の意思決定には疑問が残ります。しかし、今は責任の所在を探している場合ではない。我々はこの危機を乗り越えるためにあらゆる手を尽くす。念入りに検証し、将来十分な医療を供給するために有効な措置を探すのはその後だ。

swissinfo.ch:事前にどんな備えを築いておくべきだったのでしょうか?例えば職員を増やすのは?

リビ:このような状況に備えられていた人などいない。危機の後に様々な角度から検証し、そこから学ばなければならない。

swissinfo.ch:コロナ危機は医療強化を求めるイニシアチブに追い風になるでしょうか?投票キャンペーンでコロナ危機を議題にしますか?
(リンク先に続きあり)


2014年、ベルン大学病院(インゼル病院)でエボラ熱のような伝染病患者に接する際の装備を学ぶ医師・看護師たち
(Keystone)
https://www.swissinfo.ch/image/45645808/3x2/640/426/5858f1f236811360b28f63f6c8e97d7a/mW/228366690_highres.jpg