長崎大学病院は18日、新型コロナウイルスの感染拡大に備え、感染の有無を調べるPCR検査を1日最大千件超に拡充する方針を明らかにした。6月中にも新たな機器を導入し、運用を開始。半年後には全工程の自動化を目指す。
 
県内では現在、行政機関や医療機関の計15カ所で1日最大280件の検査が可能。このうち同病院は160件。県は500件まで拡充を目指している。
 
同病院によると、新たな検査機器は一度に384件の処理が可能。検査工程を自動化する機器も導入し1時間に100検体、1日約千件の処理が可能になる。検体は唾液を中心に使用するという。
 
検体の前処理は手作業だが、今後、工学部で自動機器を開発。情報データ科学部の協力も得て、前処理も含め全工程を自動化する。
 
整備費は、通販大手「ジャパネットたかた」(佐世保市)の創業者、高田明氏から「PCR検査の拡充に活用してほしい」と約1億円の寄付を受け、国や県の補助金も活用する。
 
長崎大などは蛍光LAMP法の迅速検査機器を開発しているが、陽性か陰性の判定だけで、PCR検査の方が一度に大量、定量の処理が可能で、感染状況を詳しく評価できるという。
 
長崎大学病院の蛹エ克紀検査部教授は「検査体制を拡充して県民の不安を取り除き、PCR検査が受けられない人が出ないようにしたい」と話している。

5/19(火) 11:30 長崎新聞
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