6/3(水) 10:57配信
毎日新聞
産卵したナガレホトケドジョウの成魚=京都府宮津市上司の府立海洋高で2020年6月1日午後5時1分、松野和生撮影
ドジョウ科の淡水魚で希少種の「ナガレホトケドジョウ」の「累代繁殖」に、京都府立海洋高(宮津市上司)マリンバイオ部の生徒が成功した。成魚から飼育して産卵・ふ化させ、さらに次代の稚魚にまで育て上げた。同高によると、ナガレホトケドジョウの累代繁殖の成功例は少なく、高校生では全国でも初めてという。
日本の固有種で、成魚は体長6〜7センチほど。川へ流れ込む環境の良好な細い水の流れなどにすむとされる。府のレッドデータブックでは絶滅寸前種に指定されている。
マリンバイオ部は2017年に福知山市内で成魚5匹を採取。校内の実習施設で飼育し、18年春に産卵・ふ化にこぎ着けた。1年かけて15匹を成魚まで育て、20年3月下旬〜4月上旬にかけ、さらに産卵・ふ化に成功した。現在10匹以上いる稚魚は2〜3センチにまで成長している。
累代繁殖は、現2、3年の女子部員3人が中心になって取り組んだ。水槽内を毎日掃除して良好な環境を保ち、餌の与え方などにも気を配った。新型コロナウイルスの影響で4月上旬から登校できなかった間は、顧問の横岡和典・実習助手(44)ら学校関係者らがサポートした。
部活動は1日から再開し、部員が早速、稚魚に餌を与えるなどした。リーダーを務めた海洋科学科の森田瑠菜さん(3年)は「1年生の時から繁殖に関わってきた。数が減っている種なので成功してうれしい。後輩が引き継ぎ、人工的に繁殖させる完全養殖の取り組みを続けてほしい」と期待した。
横岡実習助手は「ナガレホトケドジョウは入手が難しく、飼育すること自体が珍しい。希少種を増やすことで生徒たちが繁殖技術を身につけ、興味を持ってもらえたらうれしい」と話した。
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