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Web東奥

 青森県内公立小中学校の普通教室の冷房設置率は、2019年9月時点の文部科学省調査によると、5.6%にとどまっている。暑い夏を前に、同省は新型コロナウイルス対策として学校でマスクを着用するのが望ましい−としているが、県内では休校が続いたことにより夏休みを短縮する市町村もある。多くの学校は冷房に頼れない中で、新型コロナ対策と熱中症警戒の両立を求められている。

 公立小中学校の冷房設置率を県内市町村別に見ると100%が東通、風間浦、五戸の3町村。0%が24市町村だった。ただ、弘前や鶴田のように、調査後に設置を終えた自治体もある。

 全国平均は77.1%。政府が学校の冷房設置に充てる臨時交付金を18年度につくり、支援を強化したことで整備が進んだ。都道府県別では北海道、青森県の順に低かった。同省の19年度末見込みでは、青森県、北海道、秋田は設置率が40%に届かず、3道県以外は設置率が80〜100%になる。

 八戸市は5月で既に最高気温31.3度を記録。各校は児童生徒が熱中症の症状を訴えた場合、保健室の冷房を活用することになる。市教育委員会は授業中を含め定期的に水筒から水分を取らせるよう、5月22日付で各校に依頼した。

 小学校で3日間、中学校で5日間短縮する方針の夏休みは、児童生徒の負担にならないよう登校させる時期を考慮。中村雅臣教育部次長は「『密』を避けてマスクを外すなど、できることをやっていきたい」と語る。

 青森市も水分補給、服装による調節など指導のポイントを示し、各校に熱中症への注意を呼び掛ける。

 弘前市は全小中学校の普通教室などへのエアコン設置工事を前年度末で終え、今月から冷房を順次稼働させている。

 県立高校は扇風機の利用や窓の開閉などで対応するとの方針を県教委が示しているが、中には電気代まで負担する形で冷房を後援会が設置している例もあるという。特別支援学校は小中学部が設置済み、高等部も必要に応じて整備している。

 文科省は5月22日に公表したマニュアルで、学校ではマスク着用を基本としつつ、熱中症が起きる可能性が高いと判断した場合は、換気などに配慮して外すよう求めている。

 県立中央病院の池田保彦小児科部長は「冷房はあったほうがいい」としつつ、こまめな水分補給、早めに日陰で休むなどの対策が必要と言う。「新型コロナと同じくらい熱中症にも気をつけてほしい。環境省の『暑さ指数』などを参考に、普段と違うところがないか、子どもの様子をよく見て声を掛けて」と話している。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200603-00000002-webtoo-l02