6/7(日) 6:43配信
時事通信

手作業でイチゴを収穫する「いずみ小川いちご農園」の農家=4日午後、大阪府和泉市

 関西最大級の規模を誇る大阪府和泉市のイチゴ農園が、新型コロナウイルスによる減収をはねのけ奮闘している。

 府の特設サイトを活用した販路拡大に力を入れ、全国的な知名度向上を目指す。

 「いずみ小川いちご農園」は10種類、約4万6000株のイチゴを栽培する観光農園で、農家5軒が組合方式で運営する。「いちごバター」などユニークな商品開発も手掛ける。

 しかし、外国人観光客も含む約2万人が毎年訪れる3〜5月のイチゴ狩りシーズンを、新型コロナが直撃。農家の四宮正則さん(33)によると、中止により農園の年間売り上げの7割を占める約3000万円の収入が、今年はゼロとなった。

 府は4月、影響を受けた農林漁業者を紹介するサイトを立ち上げた。同園には掲載後、約20件の問い合わせがあり、府内の飲料メーカーや大手菓子メーカーとの取引が決定。売り上げが大きく落ち込むことも防げたという。

 一方で、出荷作業という新たな難題に直面した。手摘みは午前6時に始まり、箱詰めまで終わるのは午後7時。その後も加工用の「冷凍イチゴ」を作るため、1個ずつヘタを取る。四宮さんは「へとへとになりながらも、問い合わせはできるだけ受けるという気持ちで続けた」と話す。

 イチゴ狩りは来年以降も見通しが立たない。農園は、加工に向いたイチゴに比重を置くなどし、通信販売も検討するなど新たな販路開拓を模索している。 

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