コロナ禍で経済的に困窮する留学生や学生への食料支援の輪が、福岡都市圏で広がっている。麻生専門学校グループ福岡キャンパス(福岡市博多区)と福岡女子大(同市東区)では6日、学生たちに米や即席麺などが配られた。

 麻生専門学校グループ福岡キャンパスでは、留学生約200人に1人当たり5キロの米を配布。米はJAふくおか嘉穂が提供した。専門学校グループは留学生へのアンケートで、大半が経済的に困っていることを知り、食料支援に踏み切ったという。国際ビジネス科2年のヴォチ・ティエンさん(24)は「アルバイトも減って、貯金を崩しながら生活しているのでとても助かる」と笑顔だった。

 福岡女子大でもこの日、卒業生約10人が学生寮に残る留学生や日本人学生のために、約100人分の即席麺や飲料水、果物などを運んだ。食品はグリーンコープ生協ふくおか(同博多区)とNPO法人フードバンク福岡(同南区)が提供した。

 帰国できずアルバイト収入も激減したという留学生の話を聞いた、卒業生の越智咲子さん(72)が、他のOGらに声を掛けて実施した。グリーンコープ生協ふくおかは、果物やレトルトカレーなど約700食を用意。フードバンク福岡も米14キロや飲料水を提供した。

 寮を代表して受け取った2年の岡村有紗さん(19)は「買い物に出ると感染リスクがあり、ありがたい。この食品で栄養を取り、体調を整えます」と感謝した。

 筑紫女学園大(太宰府市)では5月中旬から、アルバイト先がなくなるなどして、食費に困っている学生たちに米やラーメンなどを無料提供している。これまでに、実家暮らしも含めて100人以上が利用した。

 対象は同大と大学院に在籍する学生。食材はセブン−イレブンやエフコープ生協が提供している。電話やメールで連絡した学生が大学で受け取るシステムで、1回の利用は1〜2週間分。提供回数は制限しない。

 子ども食堂やフードバンクに関わっている、同大の大西良准教授の協力で実現した。飲食店などの営業自粛でアルバイトができなくなったり、仕送りが減ったりした学生も多く、同大学生サポート班は「収入が減ると食事を我慢する学生が多い。当面、支援を続けていきたい」と話している。 (小林稔子、上野洋光)

西日本新聞 2020/6/7 6:04
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