米中の対立が激しくなる中、アメリカの有力紙は中国政府の主張を拡散するために作られたとみられるツイッターのアカウントが多数確認され「組織的なキャンペーンが行われている可能性がある」と伝えています。

アメリカと中国は新型コロナウイルスへの対応や香港の問題をめぐって対立を深めていて、トランプ大統領だけでなく、中国外務省の報道官もツイッターを通じて非難の応酬を続けています。

アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズは、先月下旬にツイッター上で中国政府関係者の投稿をリツイートしたおよそ4600のアカウントを調べたところ、政府の主張の拡散が目的とみられるものが多数確認されたと伝えました。

それによりますと、アカウントの6分の1はフォロワーがほとんどなく、一方的な宣伝のように使われているほか、7分の1は中国当局の公式アカウントなどのリツイートのみを行っていました。

さらにリツイートが定期的で自動で投稿されているとみられるものも含まれているということです。

記事では中国政府の関与は明らかではないとしつつ、「アカウントの一部は間違いなく、愛国的な中国人によるもので、組織的なキャンペーンが行われている可能性がある」としています。

中国はネット上の世論工作に力を入れていて、政府から金銭的な補助を受けて政府を支持する書き込みを行う「五毛党(ごもうとう)」という人たちの存在も指摘されています。

2020年6月11日 6時00分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200611/k10012466111000.html