0001ごまカンパチ ★
2020/06/25(木) 00:26:46.49ID:jK/nYl7i9■断層の推移を克明に描き出すことに成功、原因は「流体」、米カリフォルニア
2016年初頭、何の前触れもなく、南カリフォルニアで静かな群発地震が始まった。
地震は毎日起こるわけではなく、そのほとんどが人間にはわからないほど小さな揺れだったが、何カ月たっても終息せず、回数は増えていった。
2018年の春には毎月数千回の小さな地震が発生するようになり、ランプが揺れるほどの地震も発生して、近くの町の住民を不安にさせた。
4年間に発生した地震は2万2000回以上にのぼったが、発生源は謎に包まれていた。
この群発地震をこれまでで最高の分解能で調べた科学者チームがその原因を特定し、6月19日付けで学術誌「サイエンス」に論文を発表した。
今回の分析では、コンピューターアルゴリズムを用いて小さな地震が発生した場所と時間を明らかにし、蜘蛛の巣のように広がる
断層破砕帯(断層の運動によって岩石が壊れて砕けた部分)沿いの群発地震活動の推移を驚くほど詳細に描き出した。
完成した地図は、断層系に何らかの液体が自然に流入したことで群発地震が引き起こされたことを示している。
この研究は、世界各地で観測されているほかの群発地震にも液体が関与している可能性を示唆しており、地質学者が大小の地震の基礎となる
物理過程をよりよく理解するのに役立つ可能性がある。
また、今回の手法は世界の地震解析技術の向上に役立つことが期待される。地震のリアルタイム観測技術も向上するかもしれない。
「信じられないほど詳細に描き出されています」と、プエルトリコ大学マヤグエス校のプエルトリコ地震ネットワークの地震学者エリザベス・バナコア氏は称賛する。
「地震学がこれから進んでゆく方向を示す、最先端の研究だと思います」
■大きな地震とは異なる群発地震の経過
米ワシントン大学の海洋地震学者エミリー・ローランド氏によると、断層に沿った破砕帯はかつては単純な構造だろうと思われていたが、「実際には非常に複雑な場所」だという。
褶曲(しゅうきょく)している断層もあれば、地中で交差している断層もある。
今回調べられた断層破砕帯は、数キロにわたって広がる地下の迷宮を作り上げていた。
※略
■地下を巡る液体が誘発
今回の研究は、カウィーア群発地震の経過を非常に複雑な視点から見たものと言える。
研究者たちは、断層破砕帯の下に水や液体二酸化炭素のような液体が溜まっていたと結論づけた。
その液体は長年にわたり密封され、断層系に接触せずにいたが、2016年に何かが境界を破ったと思われる。
断層に液体が流入して断層系の圧力を変化させ、地中の亀裂を滑りやすくした結果、地下約8キロのところで群発地震が始まった。
それから数カ月の間に、群発地震の震源は、出発点からゆっくりと上昇し、範囲を広げていった。
ちょうど液体が広がるように、震源は地中の亀裂に沿って放射状に広がっていった。
震源の移動経路のいくつかは、最終的に消滅した。これはおそらく、液体が亀裂の端に到達したからだ。
別の場所では、震源の移動は何かの境界で止まり、少し横に移動してから、再び同じ方向に移動していった。これは、川が岩をよけて流れるのに似ている。
群発地震の開始から3年近くたった2018年8月には、特に頑強な妨害物が液体の上昇を阻止した。
震源の移動経路も回り道をし、最終的に新しい経路を見つけて上昇を再開した。
このとき、群発地震の中で最大の地震が起きた。マグニチュード4.4のこの地震が発生したとき、震源の真上に人がいたら地面が波打つのを感じただろう。
ロス氏によると、この地震は「断層系に大きな衝撃を与え」、小さな群発地震を爆発的に誘発し、やがて終息した。
今回の研究は、断層帯に液体が流入し、南カリフォルニアの地下の岩石を4年にわたって揺るがせたことを説得力をもって示している。
こうした液体の流入は、世界各地の群発地震の原因になっている可能性があるが、群発地震の原因は1つではないかもしれない。
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