模擬国連では、生徒が一国の大使になりきって環境・経済・平和など地球規模のテーマを話し合う。実際の歴史や外交関係などを踏まえ、各国と議論を重ね、合意形成した「決議」を採択する。解決策を探る過程で国際政治の仕組みを知り、様々な学びにつながる教育プログラムだ。
3年前に始まった全国高校教育模擬国連大会(AJEMUN)は毎年8月、2日間の日程で、東京の国立オリンピック記念青少年総合センターで開かれてきた。しかし大ホールや複数の会議室で白熱の討議を行うため「3密」が避けられない。3月以降の各校独自の会議も中止や延期になり、今年8月の次回大会も見送りが決まった。
そんな中、高校生たちの自主的なオンライン模擬国連が次々と始まった。
4月下旬と6月初めにオンライン模擬国連を開いた団体「もぎこみゅ!」はその一つ。共同運営者の一人で、横浜市の公文国際学園高等部3年の大野桜子さん(17)は「ファシリテーター(進行役)を置けるし、初心者の人にも声かけしやすい」と話す。各回30〜40人が集まり、本番並みの5〜7時間の議論が不自由なくできた。カメラオフで顔を出さない参加も可能で、「名前も学校名もNGな子が参加してくれた」良い面もあった。
4月にできた団体「Let’s MUN(レッツエムユーエヌ)!」の代表、神戸市の灘高校3年の石川将さん(18)は「オンラインなら地域の壁がない。今までは関東や関西が中心だったが、地方にも輪を広げることができた」と話す。SNSなどで参加者を募り、今月の会合には米国など海外からも高校生2人が時差を超えてつながった。
大会事務局が今月17日、初の…(以下有料版で,残り583文字)
タイトルは大会事務局が高校生に推されるように今月17日初のオンライン開催を決めたことを指す。
朝日新聞 2020年6月29日 10時19分
https://www.asahi.com/articles/ASN6Y3C8KN6SUTIL003.html