その後、日本が臥薪嘗胆で開発した地球シミュレータが2002年6月から2004年6月まで
5回連続で1位を取りました。『地球』という名前からも分かるように、天気予報、気候変動、温暖化、
2007年にノーベル平和賞を受賞したICPP(気候変動による政府間のパネル)への貢献など、多大な成果を上げました。
それだけではなく、産業界でも活躍しました。自動車工業界が地球シミュレータを使って行った衝突の
シミュレーションでは、それまでのスパコンよりも桁違いに精密な計算ができたと聞いています。
スパコンの計算速度が上がるというのは、ただ単に世界一になるということではなく、様々な分野で段違いの成果が
出てくるということが改めて分かりました。

以降、アメリカ以外の国でもスパコンの開発が進められ、2004年はアメリカに負け、ヨーロッパ各国に負け、インドに負け・・
日本はTop20にも入らなくなりました。2005年頃から「次世代スーパーコンピュータ」(後に「京」と命名された)の開発を
進めていたのですが、忘れもしない2009年11月13日金曜日。13日の金曜日ですよ。事業仕分けがあり、予算は大幅縮減、
実質上潰れて全てが終わったと思いました。直後の日曜日からアメリカでスーパーコンピューティング国際会議がありましたが、
日本人参加者は皆お通夜みたいにしおれていました。会議そっちのけで対策会議を始めました。
幸いその後判定結果の見直しがあり12月16日に予算が復活しました。


事業仕分けの当時、速度の評価軸が全盛だったようだね。