2017年の九州北部豪雨で被災し一部区間で不通が続くJR日田彦山線の復旧を巡り、JR九州と福岡県が、バス高速輸送システム(BRT)の専用道区間を延伸する県の新案で合意する見通しとなった。青柳俊彦社長が7月2日に県庁を訪問し、小川洋知事に伝える。沿線自治体とJR九州のトップによる「復旧会議」で正式決定し、復旧が本格的に動き出す。

 JR九州は当初、線路を取り除きバス専用道に整備する区間を彦山(福岡県添田町)―筑前岩屋(同県東峰村)の7・9キロと提案。これに対し福岡県は、鉄道により近い復旧方法として専用道を東峰村と大分県日田市の境にある宝珠山駅まで6・2キロ延伸し、村内の全線を専用道にするよう要請した。

 JR九州は、当初案について「住民に使い勝手の良い運行ルートの設定が可能」としてきたが、鉄道復旧を強く求めた後にBRTを容認した福岡県や東峰村の意向を尊重する。復旧費は当初案の10億8000万円から少なくとも10億円程度増える見通しだが、全額をJR九州が負担する。

 日田彦山線は添田(添田町)―夜明(日田市)の29・2キロで不通が続く。JR九州は鉄道での復旧と運行継続には多額の費用を要することからBRTでの復旧を提案した。【石田宗久、吉住遊】

毎日新聞 2020年6月29日 22時22分(最終更新 6月29日 22時34分)
https://mainichi.jp/20200629/k00/00m/040/291000c