宮城県内で新型コロナウイルス感染が再び広がりを見せつつある。仙台市では同じ飲食店に出入りした4人の陽性が判明し、クラスター(感染者集団)発生の恐れが出ている。4人の濃厚接触者は計30人を超えており、県と市はPCR検査を急ぐとともに、感染拡大への警戒を強めている。
 飲食店が起点の感染状況は図の通り。
 県と市によると、塩釜市の40代男性会社員は17日に店を訪れ、同日出勤した名取市の20代女性アルバイト従業員と接触があった。40代男性は22日、20代女性は28日にそれぞれ感染が判明。県は「40代男性が感染源となった可能性は否定できない」との見方を示した。
 同店で働く仙台市の30代女性アルバイト従業員は21日に発症。23日に出勤し、来店した同市の50代男性会社員と接触があった。30代女性は26日、50代男性は28日に陽性が確認された。30代女性の感染経路は不明で、市は発症日以前の出勤状況などを詳しく調べる。
 市は30代女性の他の濃厚接触者12人のうち、7人が23日に店内にいたことを把握した。5人は陰性と判明したが、2人はいまだ検査に向け調整中。1人でも陽性と分かれば飲食店の感染者は、クラスターと認める基準となる5人に達する。
 このほか、40代男性は9人と濃厚接触があり、多賀城市の70代無職女性の感染が確認された。20代女性の濃厚接触者は同居家族(人数は非公表)。県は他にいないか調査を進めている。
 30代女性は飲食店関係以外に5人と濃厚接触があったが、全員が陰性と判明した。50代男性の濃厚接触者は会社関係の17人。4人は陰性と分かり、残る13人の結果は30日に明らかになる。

河北新報 2020年06月30日火曜日
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/202006/20200630_13016.html