コロナの時代 見えない出口:下
 感染が広がれば経済活動を止めなければならず、活動を再開すれば第2波の懸念が高まる。コロナ危機を克服する手立ては、まだ見えない。今回の危機は日本経済に何をもたらしたのかを検証し、出口に向けた手がかりを探る。コロナ危機で露呈した様々な問題・課題を追いかける連載「コロナの時代」の「見えない出口」シリーズ最終回。

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「移動減り、考える時間増えた」 でも…
 6月上旬の平日午前8時、パナソニック社員の神村圭さん(32)は、都内の自宅で仕事を始めた。向かうのはかつて物置だったスペース。長時間のパソコン作業に耐えられるよう、ネット通販で約1万円のイスを買い、即席の「仕事部屋」に仕立てた。

 まずは、オンラインでこの日の仕事内容を同僚と共有。その後も、打ち合わせがオンラインで続く。コーヒー休憩や昼食を挟み、午後2時からはオンライン営業。飲食店向けの機器を顧客に売り込んだ。

 2月下旬に在宅勤務になって以降、外回りをバリバリこなしていた神村さんの仕事や生活のスタイルは180度変わった。東京・汐留までの往復2時間の通勤時間や、外回りの移動時間はゼロに。「移動が減り、考える時間が増えた」。妻と1歳の長女と食事ができるようになり、週3回は長女をお風呂に入れている。

 一方で、課長職の神村さんが心…(以下有料版で,残り2124文字)

 残りの見出し「「在宅」 できない人たちは」
「(スーパー等で顧客による)「カスハラ」深刻、疲労はピークに」

朝日新聞 2020年6月30日 9時00分
https://www.asahi.com/articles/ASN6Y63BBN68ULFA01B.html?iref=comtop_8_02