ただ、3日の会見で小池百合子知事は「荒川区の高齢者施設内で感染がみられる」と明かした。2日の都の緊急会見に出席した都医師会の猪口正孝副会長は「このまま広がっていくと、たぶん若年者だけではおさまらない」と危機感をにじませ、続けた。「患者の年齢層が変わるだけで、医療の需要がかなりのスピードで変わる可能性はある」
高齢者が新型コロナに感染すると、重症化しやすい。その理由を日本老年医学会理事長の秋下雅弘・東京大教授は「肺や心臓の機能が低下していることが多く、感染すると、人工呼吸器を着けるなど高度な医療が必要になる割合が高い。また、多くの高齢者に糖尿病や高血圧などの持病があることや、発熱や呼吸困難などの症状に気づきにくく、診断が遅れることがあるため」と話す。
では高齢者はどのような注意をすればいいのか。
秋下さんは「マスク、手洗い、感染リスクが高い場所に行かないことを徹底し、感染者と濃厚接触しなければいい。感染リスクをゼロにしようとすると、逆に健康を損ねることがあるので過度に恐れすぎないほうがいい」と語る。(編集委員・辻外記子)
朝日新聞 2020/7/3 19:01
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