兵庫県伊丹市が「大型のパイプオルガン譲ります!!」と、希望者を探している。バブル景気の余韻があった1993年、7千万円をかけて市の施設に設置したが、維持・修繕費が高く手放すことになった。「置き場に困った家具じゃあるまいし」。音楽関係者らからは憤りの声も上がる。

 パイプオルガンは高齢者福祉施設「伊丹市立サンシティホール」に置かれている。高さ約7メートルで、パイプは1696本。ベルギー・ハッセルト市と姉妹都市関係にある伊丹市が、同国のメーカーに依頼し、ホールの形や日本の気候に合わせて造らせた。

 「文化・教養の向上」を図る事業と位置づけられ、高齢者にクラブ活動の場などを提供する福祉施設に設置されることになった。

大規模修繕のお値段は?
 福祉施設に設置されたパイプオルガンは珍しく、月2回の無料コンサートや無料体験教室などで市民に親しまれてきた。奏者らによると、ホールと調和した甘い音色は「欧州の大聖堂のような響き」だという。

 ただ、パイプオルガンは定期的なメンテナンスに加え、15〜20年に1回、大規模修繕が必要とされる。

高額な楽器を税金で買った伊丹市。管理方法を疑問視する声が上がり、ついにオルガンの製作者が来日します。

 市は今年2月、維持・修繕の負…(以下有料版で,残り1189文字)

朝日新聞 2020年7月5日 9時00分
https://www.asahi.com/articles/ASN733FRYN6VPIHB024.html