広島県内で災害関連死を含む149人が犠牲になった西日本豪雨は6日、最初の大雨特別警報が発出されてから2年を迎える。仮設住宅などでなお500人以上が避難生活を送るなか、被災した県内各地では5、6日に追悼式が開かれ、遺族らが亡き人に手を合わせる。【池田一生、中島昭浩】

 追悼行事のうち、広島市内では5日午前9時、安芸区矢野西6の市立矢野小正門前に設けた慰霊碑の除幕式があり、6日にかけて東区や安佐北区でも追悼式がある。6日には災害関連死を含む20人が犠牲になった東広島市でも追悼式が開かれる一方、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため呉市などは献花台の設置にとどめた。

 県によると、この1年で災害関連死は11人が認定され、計40人になった。広島市など4市町では今でも計5人が行方不明で、県警は6日、200人規模で5河川の周辺を一斉捜索する。坂町では被災者向け災害公営住宅への入居が始まったが、なお257世帯の589人(1日現在)が仮設住宅などでの生活を余儀なくされている。

 防災インフラの整備も、入札不調などを理由に遅れている。国や県、市町が県内301カ所で砂防ダムなどの建設を急いでいるが、3月までに全て完了する当初の計画は大幅にずれ込み、6月末時点で工事を終えたのは112カ所にとどまる。2021年3月までに大半が完成する見通しという。

毎日新聞 2020年7月5日 10時49分(最終更新 7月5日 10時49分)
https://mainichi.jp/articles/20200705/k00/00m/040/048000c