2020.7.13 22:09
https://www.sankei.com/smp/world/news/200713/wor2007130022-s1.html

 【モスクワ=小野田雄一】1959年2月にウラル山脈で雪山登山をしていた旧ソ連の大学生の男女9人らが不可解な状況で死亡した「ディアトロフ峠事件」で、事件を再調査していたロシア検察当局は13日までに、「被害者らは雪崩で死亡した」とする結論を発表した。イタル・タス通信が伝えた。

 同事件は、人里離れた雪山で発生し、生存者もいなかったため調査が難航。死者の一部が衣服をつけておらず、遺体から放射性物質が検出されたなどとの情報もあり、事件の原因をめぐって専門家やメディアの間で諸説が指摘されていた。

 具体的には、雪崩や悪天候といった自然現象説▽核兵器の実験に巻き込まれたとする説▽仲間内の殺し合い説▽先住民による襲撃説▽宇宙人や未確認飛行物体(UFO)が関与したとする超常現象説−などだ。

 遺族の要請などに基づき露検察当局は2018年から事件を再調査。今月11日、「死者全員の身体的損傷は雪崩による損傷の特徴を示している。これが最終的な結論となる」と公表した。

 一方、遺族らでつくる民間団体の弁護士はタス通信に「遺族は雪崩が原因とする結論に同意していない。(死因は)人為的なものだろう」と検察の結論に反論した。