九州を襲った豪雨で浸水被害を受けた大牟田市などの子どもたちに役立ててもらおうと、同市の国際交流団体「フォーリナーサポートクラブ」に中古のランドセルが次々と寄せられている。フィリピンに中古を送る活動を続けるクラブに託される善意。代表の松井小百合さん(65)は「子どもたちにしっかりと届けたい」と話している。
「浸水被害に遭い、ランドセルをなくした子どもがいる」「被災地域にランドセルを届けてほしい」――。

 大牟田市立みなと小の校区一帯が大規模な浸水被害を受けた頃から、松井さんのもとにはこんなメールや電話が市内外から相次ぎ、中古のランドセルが持ち込まれるようになった。そこでクラブは同小をはじめ、各地の被災した児童たちに贈ることにした。

 ただ、今月13日までに届いたランドセルは15個ながら、フィリピンに送る分も含め、クラブの保管場所は満杯状態。取り組みを知った人たちから「20個ほど贈れます」といった申し出が殺到する中、松井さんは新たな提供分について「必要な数が判明し次第、受け入れたい」と理解を求めている。

 みなと小は6日に校舎が浸水し、7日朝にかけて孤立。がれきを撤去するなどして13日、ようやく授業を再開した。各地からの善意に、馬籠秀典校長は「本当にありがたい」と感謝している。

 クラブは2004年、インドネシア・スマトラ沖地震の被災者を支援するため、松井さんがタイ、フィリピン人の知人らと結成。15年からは中古のランドセルを市民らから集め、フィリピン・ルソン島の貧困地域の子どもらに贈る活動に取り組んでいる。

2020/07/15
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