この高齢患者に船橋市と看護師は不法行為に基づく損害賠償を請求できる余地がある。
船橋市には治療義務があり、患者がマスク着用を拒否したとしても治療を断念することはできないし、また、根拠法が医療機関による患者に対するマスクの直接強制着用を認めていない限り患者にマスク着用を強要できないから(仮に強要しても民法720条の法意に照らし正当防衛が成立しうるので違法性が阻却され
うれる)、さらに医療機関においては医療従事者の感染防止策は徹底されているはずであるから、落ち度はないと考える。
したがって、船橋市に対する過失相殺の主張は認められないと考える。