「お前は辞めんといけんのいや」、警官に上司が退職強要…損賠訴訟で県側が和解拒否
2020/07/30 09:19
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200730-OYT1T50001/

 上司らから退職を強要されるなどして精神的苦痛を受けたとして、山口県警の警察官男性が県に約500万円の損害賠償を求めた訴訟の弁論準備手続きが29日、山口地裁であった。男性側の代理人弁護士によると、6月に地裁が和解を勧めていたが、県側がこの日までに拒否し和解に至らなかった。

 訴状では、男性は2016年10月頃から17年3月にかけ、借金をしていたことなどが発覚したことをきっかけに、当時所属していた署や県警本部の幹部から、「お前は辞めんといけんのいや」「今なら退職金もあるから、それで払うて組織去れや」などと違法な退職の強要などを受け、17年1月に自律神経失調症を発症した、としている。

 訴訟で男性側は、当時の幹部らが男性へ聞き取りを行った際のものとする音声を証拠として提出。一方、被告側は一部の発言は認めたものの、処分のための事情聴取や指導の一環で、違法な退職強要などには当たらないとした。

 県警監察官室は読売新聞の取材に「係争中で回答できない」としている。