イランの国営通信は、新型コロナウイルスの感染者数をめぐって、「政府統計は信用できない」と報じた地元の新聞が、当局から発行停止を命じられたと伝えました。
イラン政府としては、感染拡大がとまらない中、国民の政府に対する不信感が広がることを警戒しているものとみられます。
イラン国営通信は10日、主に経済ニュースを扱う全国紙「ジャハン・サナット」が、メディアを監督する当局の判断で暫定的な発行停止を命じられたと伝えました。

ジャハン・サナット紙は9日の紙面で、新型コロナウイルスの感染者数をめぐって、「政府統計は信用できない」というタイトルで感染対策にあたる有識者へのインタビュー記事を掲載しました。

記事では「イランで最初の感染者は、政府発表の1か月前には確認されていたが、政治的な理由で隠蔽された」として、議会選挙などの日程を考慮し発表が遅れたと伝えています。

また「政府発表の感染者数は実際の20分の1程度ではないか」とも指摘しています。

イラン政府の発表では、感染者は32万人を超え、このところ2か月余りは、1日当たりの新たな感染者数が毎日2000人台で推移しています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200811/amp/k10012561571000.html