大阪府八尾市の市立小学校に通っていた女子中学生(12)が3年前から同級生のいじめを受け、不登校になった問題で、暴行した男児の両親や八尾市、大松桂右市長に慰謝料など約2875万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。両親が15日、会見を開き、明らかにした。提訴は11日付。

 訴状などによると、女児は平成29年6月以降、同級生の男児から暴言などでいじめを受けるようになり、翌30年2月には八尾市内の公園で暴力を受け、左手小指を骨折する重傷を負った。女児の両親は市教委や学校側にいじめ防止などを求めたが、その後もいじめが続き、女児は30年10月以降、学校に通えない不登校の状態が続くとしている。

女児は今年4月から中学校に進学したが、いじめの後遺症で体調がすぐれないという。

 会見した女児の両親は「いじめを絶対、許してはならない」とし、今回の提訴で「娘が普通の女の子として、生活を取り戻す一歩になれば」と話した。

 今回のいじめ問題をめぐり、八尾市の第三者による再調査委員会は今年1月、複数児童による「いじめ」と認定。市は4月から再発防止策の一環で、いじめを防ぐ市長直轄の担当部署を新設した。

産経新聞 2020.9.15 14:47
https://www.sankei.com/smp/west/news/200915/wst2009150018-s1.html