新型コロナウイルスに感染して県内の医療機関に入院した患者について、県は16日、
感染拡大「第1波」の患者92人(他府県との重複発表者を含む)中23人、 
また7〜8月の「第2波」で入院療養を終えた患者387人(同)中37人に対し、
医師が治療薬候補の「ファビピラビル(商品名アビガン)」などを投与したことを明らかにした。

投与を受けた計60人中54人が回復し、退院したという。

県議会本会議で、自身も感染し、一時は中等症と診断されて約20日間入院した植村佳史議員(自民)の一般質問に、
県の鶴田真也・医療政策局長が答えた。

鶴田局長は答弁で、「第1波」の際は国内で承認されている医薬品がなく、
臨床研究として23人にアビガンなどを投与し、21人が回復したと説明。

また、「第2波」の際は「レムデシビル(ベクルリー、5月に薬事承認)」を12人、「デキサメタゾン(デカドロン、7月に承認)」を20人、
アビガンを7人に投与(複数を用いた患者もいるので計37人に投与)し、33人が回復したことを明らかにした。

治療薬候補について、鶴田局長は「重篤な副作用をもたらす可能性がある」ため、
投与対象は「重症患者や重症化の恐れのある患者」に限定されているとした。

県内5医療機関で投与されたという。その上で「引き続き、患者の状態に応じ、安心して治療を受けられる環境を整えていく」と述べた。
https://mainichi.jp/articles/20200917/ddl/k29/040/273000c