その男性は旅行が趣味で、休暇を見つけてはGoToキャンペーンで出かけていた。
今回も何度か行き慣れた観光地へ旅行をし、地元の人と話ながら夕食を楽しんでいると、こちらをジッと見つめてくる女性がいることに気づいた。

「なんかやたら見られてるな…。」
そう思いながらチラチラ目線を送ると、その度に女性は熱い視線を絡めてくる。しかしなかなかの美人なので、悪い気はしない。

「もしかして一目惚れされちゃったかな?そんなことはないか…。」
そんな事を考えながらも食事を済まして店を出ると、その女性が待っていた。
「私と一緒にこない?」
ストレートで熱いお誘いに、男性が断る理由もない。すっかり意気投合した2人は一夜を共に過ごした。

翌日、目覚めてみると女性の姿はもうなかった。
「なんか夢みたいだったな…。」
昨晩の甘い一時を思い返しながら洗面所へ向かった男性は、鏡を見て絶句した。
そこには真っ赤な口紅でこう書かれていたのだ。

「コロナの世界へようこそ!」