11月3日の米大統領選で再選を目指すドナルド・トランプ大統領(74)が、テレビ討論会で白人至上主義を明確に糾弾しなかったことが与党・共和党内に波紋を広げている。差別を容認しているとの批判が広がれば、大統領選と同時に実施される上院選、下院選にも影響する懸念があるためだ。

 トランプ氏は9月29日に行われた討論会で、人種差別や警察暴力への抗議運動に、武装し対抗する動きを見せる白人至上主義団体を糾弾するかとの問いに、正面から回答せず、極右グループ「プラウドボーイズ」に対して「スタンドバック(一歩引いて)、スタンドバイ(待て)」と、衝突を容認するような発言をした。このグループは「親トランプ」を掲げている。

 共和党唯一の黒人上院議員のスコット議員は30日、スタンドバイ発言について「言い間違えたのだろう。修正すべきだ。直さないのなら、それは言い間違いではないということだ」と語り、発言の撤回を求めた。同党上院トップのマコネル院内総務は「白人至上主義を非難しないことは、受け入れられない」と発言。他の議員からも、明確に非難すべきだとの声が相次いだ。(以下有料版で,残り1535文字)

毎日新聞2020年10月1日 15時56分(最終更新 10月1日 21時44分)
https://mainichi.jp/articles/20201001/k00/00m/030/153000c