新型コロナウイルスの影響で業績が悪化している西武ホールディングスが、財務基盤を強化するため、子会社の「西武鉄道」と「プリンスホテル」が『優先株』を発行する形で、主力の取引銀行から合わせて800億円の出資を受け入れる方向で最終的な調整を進めていることがわかりました。

西武ホールディングスは、新型コロナウイルスの感染拡大で鉄道やホテルの利用客が落ち込んだ影響で、今年度のグループ全体の業績が630億円の最終赤字に陥る見通しです。

最終赤字は12年ぶりで、赤字幅も過去最大になるとしています。

このため、関係者によりますと西武ホールディングスは、子会社を通じて、主力の取引銀行である「みずほ銀行」と「日本政策投資銀行」から合わせて800億円に上る出資を受け入れる方向で最終的な調整を進めているということです。
具体的には、「西武鉄道」と「プリンスホテル」が、議決権がない代わりに高い配当を得られる『優先株』をそれぞれ発行し、2つの銀行が400億円ずつ引き受ける方向です。
西武ホールディングスは、優先株の発行による資本増強で財務基盤を強化し、新型コロナウイルスの影響の長期化が懸念される厳しい状況を乗り越えていくねらいがあります。

NHK 2020年10月15日 12時54分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201015/k10012664311000.html?utm_int=news_contents_news-main_001