● 「移民」という特効薬は 人口減少対策に効くか?

 出口:はい、次の方どうぞ。

 ――私は経営者です。うちの工場は今、本当に小さくなってしまいました。

 今、110人が東北で働いています。中でも、25人のベトナム人研修生が元気に働いてくれています。日本で5年働けるようになったのですが、今後はどうなるかわかりません。

 人口減少の特効薬としては、「移民」という政策はどうでしょうか。

 日本人は「移民」という言葉にアレルギーがある気がしますが、労働ビザの発給基準を下げ、海外の人にたくさん働きにきてもらうのが、人口減少、労働時間削減の特効薬に近いよ気がするのですが、どうでしょうか。

 出口:たとえ移民という言葉が嫌いであっても、実体的には研修生は移民そのものなので、移民という言葉に正面から向き合い、外国人と共生していくという道を選ぶべきです。

 なぜかといえば、これはヨーロッパで豊富な体験があるのですが、人間の歴史を見てみれば、移民が社会に定着するとき、一番抵抗があるのは「文化」です。

 文化とは何かといえば、言葉です。

 だからドイツが一番うまくやってきたと思いますが、ドイツは移民として働かせる前に600時間のドイツ語研修を義務づけています。

 600時間以上ドイツ語を勉強すると、必ずしもドイツ語がペラペラにならなくてもいいのですが、ドイツの文化を理解することになる。そうすることによって摩擦が少なくなります。

 だから、「研修生」という曖昧な表現ではなく、社会が移民としっかり向き合い、どうしたら移民の人たちが自分たちの社会に溶け込めるのか、それを本格的に考えない限り、日本の発展はないと思います。

 APUも実は20年前の開学のとき、別府の町に外国人が入ってくることに対して、地元の方から「外国人が何1000人もきたら、この町はいったいどうなるのや?」と反対を受けました。

 今は何の問題もありませんが、一番、外国人と日本人が仲よくなる秘訣は、1回生は原則全員寮に入り、日本人と一緒に住むことでした。

 2年目から町に出てアパートなどに住むわけですが、1年間、文化が違う国や地域の人たちと暮らしていると、留学生も日本のルールに則って全員ゴミ出しができ、お盆や初詣で地元の人たちとも楽しく交流できるわけです。言語、文化を理解することが一番の共生の鍵だと思います。

 ――ありがとうございます。私も経営者として5年、外国人を鍛えてきて、今かなり戦力になってくれています。

 出口:もったいないでしょう。

 ――そうなんです。帰国されると正直、困ってしまいます。

 出口:だからはっきり「移民」と呼び、「日本で働きたい人は10年でも20年でも働いてください」というのが僕は中長期的に見たら正解だと思います。

 ――ありがとうございました。

 出口:はい。よろしいですか。

 ――たくさんのご質問をいただきましてありがとうございました。そして、出口さん、大変素晴らしいご講演をいただきまして、ありがとうございました。

 (拍手)

全文はソース元で
https://news.yahoo.co.jp/articles/dcb4536888ef6f61ff65cc776496635ac9b6dc33

★1 2020/10/18(日) 10:30:13.89
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