16、17日に石川県加賀地方でクマによる襲撃が相次ぎ、負傷者は2日間で7人に上った。警戒に当たった2台の県警パトカーも襲われ、車輪がパンクする被害も。県内では最高レベルとなるクマの「出没警戒情報」が10年ぶりに出される中、神出鬼没のクマに住民の不安が高まっている。

 17日午前に加賀市山代温泉から次々と目撃や被害の情報が消防などに寄せられた。市消防本部などによると、70、80代の女性と高齢男性が襲われ、頭などにけがをした。クマは雄の成獣で体長は約1・2メートル。

 白山市では16日午前11時半ごろ、井口町のショッピングセンター「コア」にいた男性からクマがいると110番があった。警察官がパトカーを降りて捜そうとしたところ、クマが向かってきたという。クマは運転席の窓を引っかいたが、車内の警察官にけがはなかった。

 正午ごろには同市明法島町で別のパトカーの左後輪をクマが引っかき、パンクした。その後、午後0時10分ごろに住民の男性(95)、午後3時過ぎには近くの女性(63)、猟友会の57歳と72歳の男性が襲われた。クマは成獣で体長約1・3メートル、体重約100キロ以上。

 県内ではクマの餌となる木の実が不作で、8日に出没警戒情報を発出。

https://mainichi.jp/articles/20201017/k00/00m/040/243000c