世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は26日、
米高官が示唆した新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を抑制する取り組みの断念は「危険だ」と警告し、
各国に「あきらめない」よう呼び掛けた。

テドロス氏はインターネット上で開いた記者会見で、何か月も続いているウイルスとの闘いにより一部で
「パンデミック疲れ」が出ていることを認めた上で、「それでも私たちはあきらめてはいけない」と述べ、
「崩れてしまった生活と生計にバランス」を取り戻すよう各国指導者に求めた。

発言の背景には、マーク・メドウズ米大統領首席補佐官が25日、
米CNNにドナルド・トランプ政権はウイルスの根絶でなく軽減に注力していると述べたことがある。

メドウズ氏は致死率の高い新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を季節性インフルエンザになぞらえ、
「われわれは感染拡大をコントロールするつもりはない。われわれはワクチン、治療法や他の軽減策を得るという事実をコントロールする」と述べた。
 
この発言について問われたテドロス氏は、軽減に集中する、特に弱者を守ることに集中することは確かに重要だと述べた。
しかし感染拡大の「制御を断念することは危険だ」と主張し、感染拡大の軽減と制御は「矛盾しない、私たちは両方できる」と強調した。
https://www.afpbb.com/articles/-/3312101