(ブルームバーグ): ニクソン、フォード米政権で国家安全保障や外交政策を取り仕切ったヘンリー・キッシンジャー氏は、トランプ政権下でぎくしゃくした米中の意思疎通を修復することがバイデン次期政権にとって急務になると指摘、さもなければ軍事衝突への事態悪化もあり得ると警告した。

キッシンジャー氏(97)は16日、ブルームバーグ・ニュー・エコノミー・フォーラムでインタビューに応じ、「何らかの協力的行動の基盤を見いださない限り、世界は第1次世界大戦並みの惨事へ転がり落ちかねない」と発言。過去に比べ昨今の軍事テクノロジーは、こうした危機の「制御を一段と難しくしている」と指摘した。

「米中は現在、衝突へと傾斜を強めており、両国の外交は対決姿勢を強めるやり方になっている」と説明。「危険なのは、言葉による応酬にとどまらない実際の軍事衝突に発展するような危機が起きることだ」と述べた。

キッシンジャー氏はニクソン元大統領による1972年の訪中を実現させた功績で知られる。1月20日に誕生するバイデン次期政権について同氏は、新型コロナウイルスという共通の脅威が両国の政治的対話の突破口になるよう期待していると述べた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/fef303048da0db14ba0e86f366d0e2afad0abeb6
https://amd-pctr.c.yimg.jp/r/iwiz-amd/20201117-43932579-bloom_st-000-1-view.jpg