国立大学法人千葉大学 2020.11.19

国立大学法人千葉大学
千葉大学大学院医学研究院 腎臓内科学 淺沼克彦 教授、山田博之 協力研究員・京都大学腎臓内科学大学院生(研究当時/現 京都大学初期医療 救急医学分野 特定病院助教)と京都大学大学院医学研究科 TMKプロジェクト・腎臓内科学 柳田素子 教授などの研究グループは、腎臓が持つ血液中の蛋白の最終濾過バリア(スリット膜)の構造維持機構を解明しました。
この成果は、透析導入の原因となる慢性腎臓病の進行に関与する蛋白尿出現のメカニズムを明らかにしたものであり、慢性腎臓病の進行メカニズムの解明や、治療薬開発につながることが期待されます。本研究成果は、科学誌「キドニーインターナショナル(Kidney International)」に2020年10月31日にオンライン公開されました。



研究の背景

https://prtimes.jp/i/15177/437/resize/d15177-437-781998-0.png

 透析予備軍とされる慢性腎臓病患者は、日本人の成人人口の約13%(1330万人)で、国民病と言われるほどに多いと言われています。蛋白尿は、慢性腎臓病患者において腎不全への進行を予想させる指標であり、蛋白尿発症のメカニズムを解明することは、慢性腎臓病治療薬を開発する上で重要となります。腎臓は血液を濾過して尿をつくり、体内で作られた老廃物を捨てる役割を持つ臓器ですが、その濾過は、腎臓にある糸球体(注1)で行われます。
糸球体で血中蛋白の最終濾過バリアとして働いているのは糸球体足細胞(ポドサイト(注2))の作るスリット膜(注3)です(図1A)。つまり、スリット膜が壊れると蛋白尿が出現し、慢性腎臓病が進行していくことになりますが、スリット膜の構造がどのように維持されているかはよくわかっていませんでした。
 研究グループは以前の研究で、スリット膜を細胞の中から支える位置にMAGI-2(注4)という蛋白があること、MAGI-2を作れないようにしたマウスはスリット膜が不完全で大量の蛋白尿が出現し、慢性腎臓病から腎不全になって死んでしまうことを報告していました。そこで、研究グループは、MAGI-2がスリット膜の構造維持に重要な働きをしているのではないかと考えて研究を行いました。




研究の結果
     ===== 後略 =====
全文は下記URLで
https://news.allabout.co.jp/articles/p/000000437.000015177/