新型コロナウイルスで打撃を受けた世界経済について、OECD=経済協力開発機構は中国の成長やワクチンの普及が見込まれることから来年の終わりまでに感染拡大前の水準に戻るという見通しを示しました。ただ、日本を含む多くの国は回復に時間がかかるとして今後も経済対策を続ける必要があるとしています。
OECDは1日、世界経済の先行きについて最新の予測を公表しました。

それによりますと、世界全体の経済成長率はことしは実質でマイナス4.2%の落ち込みとなる一方、来年はプラス4.2%となり、その規模は、来年の終わりまでに感染拡大前の水準に戻るとしています。

これは中国の来年の成長率がプラス8%となって世界全体の回復をけん引することやワクチンの普及が進むと見込まれるためです。

ただ、国別にみると来年の終わりまでに感染拡大前の水準に戻るのは中国や韓国など一部に限られていて、日本を含む多くの国では回復に時間がかかる見通しです。

日本についてはことしの成長率がマイナス5.3%、来年は東京オリンピック・パラリンピックの効果を反映させてもプラス2.3%にとどまると予測していて、力強く持続的な回復に向けて働き方を柔軟にしたり、デジタル化を進めたりするべきだと指摘しています。

OECDは経済の回復のスピードは国によって異なるうえ、ワクチンの普及の状況にも左右されることから、各国が今後も経済を支える対策を続ける必要があるとしています。
国別の経済成長率の予測
OECDが1日に公表した国別の経済成長率の予測です。
▽日本 ことしがマイナス5.3%、来年がプラス2.3%、
▽アメリカ ことしがマイナス3.7%、来年がプラス3.2%、
▽中国 ことしがプラス1.8%、来年がプラス8%、
▽ドイツ フランスなどユーロ圏はことしがマイナス7.5%、来年がプラス3.6%、
▽イギリス ことしがマイナス11.2%、来年がプラス4.2%、
▽ブラジル ことしがマイナス6.0%、来年がプラス2.6%、
▽韓国 ことしがマイナス1.1%、来年がプラス2.8%

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