2020年の自殺者数は2万919人(速報値)で、19年より750人(3・7%)増えた。前年を上回るのは、リーマン・ショック翌年の2009年以来となった。女性や若い世代の増加が目立ち、小・中・高校生は過去最多となった。新型コロナウイルスの感染拡大による家庭環境やくらしの変化が大きく影響したとみられる。

厚生労働省が22日、警察庁の統計をもとに発表した。男性が1万3943人(前年比135人、1・0%減)、女性が6976人(同885人、14・5%増)。男性の自殺者が女性の2倍にのぼる一方、女性の増加幅が目立つ。

 人口10万人あたりの自殺者数は16・6人で、政府が26年までに目指す主要先進国並みの13・0人以下を上回り続けている。都道府県別では、岩手、山梨が22・3人で最も多かった。

 厚労省が20年1〜11月の自殺者1万9225人について分析したところ、小・中・高校生が440人(前年同期比68人、18・3%増)で、こうした区分の公表を始めた1980年以降、年間で過去最多だった86年の401人を既に大きく上回っている。年代別では19歳以下が前年同期比13・8%増の707人、20代が同16・8%増の2287人と大きく増え、女性に限るといずれも3割増だった。(石川春菜
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