0001Felis silvestris catus ★
2021/01/25(月) 20:26:22.81ID:Zs1ojgI09https://news.yahoo.co.jp/articles/3ec8d76aae8b009b7db072368e59c4463f45b435
(武藤 正敏:元在韓国特命全権大使)
北朝鮮に何度騙されたら気が済むのか。それとも、騙されたふりをして、日本や米国を欺こうとしているのか。
〈外相電撃交代の韓国、金与正デスノート説を全力否定〉韓国の外交部長官(外相)を退くことになった康京和氏
文在寅大統領は、1月18日の記者会見で「金正恩委員長の非核化の意思は明確だ」、「シンガポール宣言から改めて始めなければならない」との考えを示した。
しかし、金正恩委員長は今月開かれた朝鮮労働党大会において「核」という言葉を36回使用したものの、「非核化」についてはついに一度も言及しなかった。そればかりか金委員長は、2018年の平昌オリンピック参加以降、米韓、南北と立て続けに首脳会談を行って「朝鮮半島の非核化と恒久的平和の追求を止めてはならない」などとしていた期間にも、実は隠れて核ミサイルの開発を続けていたことを認めている。
それなのに、文大統領は何を根拠に「金正恩氏の非核化の意思は明確だ」と言うのだろうか。
■ 北に備えるための米韓合同演習の実施を、北と相談して決める?
ここまで北朝鮮にいいように利用されていながら、なおも文大統領は、「金正恩氏の非核化の意思は固い」と言い張り、米国をこれに引き込もうとしている。そして、その働きかけの先頭に立つよう期待されているのが、新しく外交部長官(外相)に任命された鄭義溶(チョン・ウィヨン)前国家安保室長である。
文在寅大統領は、北朝鮮に対しては徹底して弱腰だ。朝鮮労働党大会で金正恩委員長が米韓合同演習に関して、「先端軍事装備の搬入と、米国との合同軍事演習を中止しなければならない」と述べて反対すると、文大統領はすぐさま前述の記者会見で「必要であれば、南北軍事共同委員会を通じ北朝鮮と協議できる」である。
北朝鮮からの攻撃に備えるための合同軍事演習なのに、その敵と協議するというのだ。開いた口が塞がらない。
■ 文大統領の北朝鮮への思い入れが判断を誤らせる
文在寅大統領は、今も北朝鮮のことで頭がいっぱいなのだ。日本に対して、東京オリンピックの機会に「日米南北」による首脳会談を提案した。しかし、北朝鮮は米国との対話には関心があるはずだが、日本や韓国を入れた提案には関心はないだろう。それほど文大統領が夢想するこのプランは現実離れしている。文大統領の熱意にもかかわらず、4カ国による首脳会談の実現性は乏しいと言わざるを得ない。
もう一つ、文大統領が期待を込めているのは、バイデン大統領の就任に合わせ、「朝鮮半島平和プロセス」が再開されることである。これによって米朝関係をシンガポールの米朝首脳会談時にまで戻し、それに合わせて南北首脳会談、南北協力が実現することを望んでいるのだ。
しかし、米国のバイデン大統領はトランプ前大統領の政策の多くを否定することから出発している。トランプ氏の金正恩氏とのシンガポール会談は、朝鮮半島問題において、バイデン政権が否定することの最たるものである。
それでも文在寅大統領は、「朝鮮半島平和プロセス」の再現のため、バイデン米国新大統領との早期の首脳会談を求めている。
それでバイデン大統領との会談が実現したとしても、最初の出会いで信頼を失えばその後の修復は困難になるであろう。文大統領はその首脳会談で北朝鮮についてどのような発言をしようとするのか。事前の準備なくしてバイデン大統領を説得することはできない。まさか、「金正恩氏の非核化意思は明確だ」などと空言を言うつもりではないだろう。
何でもトップダウンで、しかも思い付きで政策を取り入れたトランプ前大統領とは異なり、ボトムアップで検討したうえで政策決定するバイデン大統領は、文大統領が望むような反応を示す可能性は極めて低い。
なにしろバイデン大統領の外交スタッフはオバマ政権時に要職を占めた人が多く、彼らは北朝鮮の行動パターンを熟知している。文大統領の甘い言葉に騙されるような人々ではないのだ。
(略)