そして2006年真冬のその日、手元のわずかな小銭を使ってコンビニでいつものパンとジュースを購入。
母親との最後の食事を済ませ、思い出のある場所を見せておこうと母親の車椅子を押しながら河原町界隈を歩く。
やがて死に場所を探して河川敷へと向かった。
「もう生きられへんのやで。ここで終わりや」という息子の力ない声に、母親は「そうか、あかんのか」とつぶやく。
そして「一緒やで。お前と一緒や」と言うと、傍ですすり泣く息子にさらに続けて語った。
「こっちに来い。お前はわしの子や。わしがやったる」。
その言葉で心を決めた長男は、母親の首を絞めるなどで殺害。
自分も包丁で自らを切りつけて、さらに近くの木で首を吊ろうと、巻きつけたロープがほどけてしまったところで意識を失った。
それから約2時間後の午前8時ごろ、通行人が2人を発見し、長男だけが命を取り留めた。