なぜ欧米では新型コロナウイルスの感染爆発の収束が遅かったのか。イギリス在住で著述家の谷本真由美氏。

■「家族以外」「野外」のセックスは禁止
イギリスの場合、6月1日から学校も段階的に再開していましたが、さすがマスク嫌いのイギリス人、
子どもたちにマスク着用を禁止する学校もありました。バスや電車の車内では、一応、マスク着用が義務化されましたが、
日本の「マスク警察」が見たら卒倒しそうなほど、ちゃんと着用している人はほとんどいませんでした。

当然のように、路上や店では誰もマスクをしていません。店内でもソーシャルディスタンスなどまるっきり無視で、
お互いに近距離でしゃべりまくりです。手の消毒などやりませんし、店員から消毒液を配られても知らん顔です。

こんな調子なので、イギリス政府はロックダウンを緩和したのにもかかわらず、一部のルールを厳密化しました。
そのなかにはトンデモないものもあり、なんと自宅で行う家族以外とのセックスのほか、
野外セックスまで禁止にし、違反者は刑法犯に問うことにしたのです。

これに対して一般市民は、「俺は義父とセックスしなければいけないのか!」と大激怒。イギリスの民度をよく表しています。

日本人がまじめに自粛しているあいだ、イギリスは死者数が一向に減らないというのに、
不倫しまくり、彼氏彼女の家に行きまくり。これでは状況が改善するはずがありません

■外食前に手を洗おうものなら変人扱い
そもそも欧州でもアメリカでも、普段から食事の前に手を洗う習慣がありません。
学校は土足ですし、靴を履いたまま歩きまわったカーペットの上に幼稚園児が座ったり、寝っ転がったりしています。
トイレは高級デパートでもひどい有様で、床がなぜか尿で水浸しだったり、便器が流されていなかったりとメチャクチャです。
それ以前に便座が割れていたり、故障だらけだったりして、日本人の想像をはるかに超越しています。

電車やバスのなかでサンドイッチやリンゴを取り出し、手を洗わずにそのまま食べ、ちょっと荒い地域だと、ゴミを床に放り投げます。
KFCの食べ残しが床に捨てられているバスもめずらしくありません。

これはイギリスだけではなく、私が4年間住んでいたイタリアをはじめ、欧州の他の国でもそれほど変わりません。
几帳面なはずのドイツの衛生概念も「?」です。他人に迷惑をかけないとか、街をきれいに保つとか、そういう基本概念が欠けています。
それどころか、外食前に手を洗おうものなら、周囲の人に「ちょっと神経質すぎて頭がおかしいんじゃないの」と変人扱いされてしまいます。

私は新型コロナ以前から医療用のワイプやアルコールを持ち歩き、外食時には必ずテーブルや椅子を消毒していましたし、
手もきれいに洗っていました。そんな私の姿を見て、ママ友たちはいつもギョッとしていました。
義両親には「神経質すぎる」と言われますし、家のなかを土足厳禁としたら、彼らと口論になったほどです。

■ウイルスやバイキンは誰が教えるのか
日本とは異なり、イギリスをはじめ欧州では、学校で行う体育や理科の授業で公衆衛生やウイルス、バイキンなどに関してあまり教えません。
日本だと、赤ん坊の頃から「アンパンマン」のバイキンマンなどに触れますし、
親は「バイキンは怖いんだよ。だからきちんと手を洗おうね」と教えます。ところが他の国にはそういったキャラクター自体、存在しません。

さらに、欧州の学校には保健室がないことも多く、「日本の学校には保健室があって、保健の先生が常駐している」と話すと、すごく驚かれます。
一応、保健室に該当するような部屋を設けている学校もありますが、日本の保健室に比べると単なる物置みたいな感じで比較になりません。

■「健康診断がある」と伝えると驚かれる
イギリスでは、学校で健康診断を行いません。当然、虫歯のチェックもありません。
「日本の学校では毎年、健康診断がある」と家人や友人に伝えると、大変驚かれます。
イギリスをはじめ、医療費が無料という欧州の国々では、病院で健康診断を受けようとすれば1回に5〜10万円もかかるからです。

私が日本で通っていた小学校では、保健の先生が毎月「保健だより」を印刷して生徒に配っていましたし、
肥満の児童には保健の先生が注意し、栄養や運動の指導をしていました。
イギリスなど欧州では、子どもの発育不良や健康的な問題は、すべて家庭の責任です。

日本では保護者だけではなく、政府や自治体、教育に関わる人々などの健康に関する意識が高いのだと思います。

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https://news.livedoor.com/topics/detail/19742676/