■名古屋のコンセプトカフェ「X」で働くように

 のあは、シンガーソングライターの大森靖子さんにすごい憧れていて、カラオケに行くと絶対最初に歌うのは大森靖子さんってくらい。「ミスiD2018」では選考委員だった大森さんに会えて、すごい感動して泣いてしまったみたいです。その縁で、大森さんがプロデュースするアイドルグループ「ZOC」に入らないかというお話をいただいていたんですけど、すごく考えた上で「憧れの人は遠くから見てるのが良いから私は入っちゃダメだ」とお断りしたと聞きました。

 2018年の7月に、アイドルを辞めてから表立った活動はしていなくて、ピザ屋さんや焼き肉屋さんのバイトをしたり、介護の仕事をやったりと自分に何ができるかっていうのを探して色々チャレンジしていました。そんな時に声がかかったのが、亡くなる直前まで働いていた名古屋のコンセプトカフェ「X」だったんです。

「X」での売り上げはずっとトップだったと聞いています。すごくファン思いで、アイドルを始めた小学生の時からもらった手紙は全部残しているんですよ。ファンをかばって泣いて怒ることもあったそうです。媚びるとかじゃなくて、みんなに楽しんでほしいというスタンスで、1人ひとりのファンに対して、丁寧に接していました。

■コンカフェオーナーからのセクハラを告発

 のあが、(2020年)9月20日にお店に「休みます」と連絡を入れたところ、オーナーから「それだったら来なくていい」ってクビになったと聞いています。たしかに、あの子は遅刻とか欠勤とかが多かったので、しょうがないかなとも思った。私も「のあも悪いところはあるよ」って諭したんです。今思うと、その時は、「分かった」と言いながらも色々思い詰めていた様子でした。

 お店を辞めてすぐに、のあが「オーナーからセクハラがあった」とツイッターに書き込んだんです。オーナーはそのことについて否定していますが、親として自分の娘のことはずっと信じています。

 その「セクハラをされた」という投稿に対して、お店のプロデューサーのAという女性が怒ったんです(前出メッセージのAと同一人物)。Aは娘に対してツイッターで「妄想、虚言」だの「被害者面」だのと色々と書き込んだ。それに乗っかるようなかたちでネットは炎上して、匿名掲示板は「死ね」「嘘つき」などといった娘への誹謗中傷で溢れてしまいました。

 たしかに、自分がプロデュースしている店で辞めた子にセクハラなんて書かれてしまって、Aの怒る気持ちも分からなくはないんです。でも、やり方とか言い方はもうちょっとあったんじゃないか。