『スーチー女史は善人か』 新潮文庫 高山正之氏

イギリスはアメリカを流刑地にしていたが、そのアメリカが勝手に独立したので
今度はオーストラリアを犯罪者の流刑地にした
住んでみると気候がいい、地味もいい。それで普通の市民も移住していった。
もっとも市民といっても多くは食い詰め者、厄介者で、これがオーストラリアを一世紀にわたって血まみれの地獄に変えた。

ここには約600万の先住民アボリジニがいた。
彼等は移住者が欲しがる水場や牧羊に適した肥沃な土地に住んでいた。
邪魔なアボリジニをどうしたか。
移住者はためらいなく彼等を殺していった。
50万人が住むタスマニア島ではそのほとんどが崖から突き落とされ、銃で撃たれて殺された。
最後の数千人は岩だらけの孤島に移送され、すべて餓死した。

戦後、英豪軍は降伏した日本兵を捕虜にするのも面倒だからと、草木も生えないレンバン島に送り込んで餓死させた。
同じ手法だ。