ニッポン放送5/9 12:15
https://news.1242.com/article/288785
(略)
■9月11日までの完了を目指す米軍のアフガニスタン撤退
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米国同時多発テロ事件 貿易センタービル倒壊前=2001年9月12日
米バイデン大統領は5月2日、アメリカ中枢同時テロの首謀者で国際テロ組織アルカイダの指導者だったウサマ・ビンラーディン容疑者をアメリカ軍が殺害してから5月1日で10年となったことを踏まえ、声明を発表した。ビンラーディン容疑者殺害などで「アフガニスタンのアルカイダは弱体化した」として、9月11日までの完了を目指すアフガン駐留アメリカ軍の撤退を正当化している。
飯田)ウサマ・ビンラーディン殺害から10年経つのですね。
■アメリカ国内でも反発論のあるアフガニスタンからの撤退(略)
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29日、カタールの首都ドーハでアフガニスタン和平合意に署名する米国のハリルザド・アフガン和平担当特別代表(左)と、反政府武装勢力タリバンのバラダル師(共同)=2020年2月29日
■撤退すればテロリストが入って来る〜しかし米軍が居続けても問題は解決しない
宮家)ですから、ずっとこの地域は外国の統治が厳しかったわけです。昔はペルシアやアレキサンダー大王、インド、近いところではイギリスが来て、ソ連が来て、今度はアメリカでしょう。どこの国の支配も絶対に受けたくない。アフガニスタンは強い民族の集まりですよね。その意味では、米軍の撤退は当然なのですが、撤退すればテロリストが必ず再び入って来るわけですよ。
飯田)やはりそうなりますか。
宮家)帰って来るに決まっています。ただ問題は、ずっと居続ければ問題が解決するかと言えば、それは恐らく、しない。
飯田)アメリカ軍が居続けたとしても。
宮家)アメリカの国益を考えれば、今余力があるのなら、それを東アジアやインド太平洋に集中させるというのは当然の判断です。だから撤退せざるを得ないのだろうなと思います。
■相容れない中華文化とイスラム文化(略)
■投資しても回収できないアフガニスタン〜出て来るのは地雷ばかり(略)
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米軍、シリア撤収作業開始 シリア北東部ハサカで、クルド人主体の民兵組織「シリア民主軍」と警戒に当たる米兵=2018年11月4日
■しっかりとしたアフガニスタンの中央政府をつくることが難しい
飯田)アメリカがここにいたというのは、ある意味の前方展開のような感じで、自分のところを狙うテロリストを抑え込むという狙いがあったわけですよね。
宮家)そうです。2001年の同時多発テロのときには、確かに首謀者はあそこにいたわけですからね。弱体化したかどうかは別にして、今は世界中に散らばっているから、アフガニスタンだけにいる意味という点では確かに薄れているのは事実です。だけど、それはいままでやって来たからこそ拡散したのであって、もしアフガニスタンに事実上の聖域ができたら、皆さん、間違いなく戻って来ますよ。そうならないようにするには、アフガニスタンにしっかりとした中央政府ができなくてはいけないのだけれど、これが難しい。できるのだったらとっくにやっていますよ。
■西側諸国の警備、対策が進み、昔のように隙を突かれることはない
飯田)ここの地域に抑え込めればいいけれども、これがさらに力を蓄えて世界に拡散するということになると。
宮家)そうですね。しかし、状況はアルカイダ、それからISISの時代から変わったのです。やはり西側諸国、日本もそうであって欲しいのだけれども、対テロ警備や対策が進んでいますよね。ですから、昔のように隙を突かれることはないと思います。しかしテロリストだって必ず新手のものが出て来るはずです。それには注意が必要なのですが、東アジアでの中国の台頭のことを考えると、そんなことは言っていられないというのが実態なのでしょうね。
■テロ組織がなくなることはない(略)