南日本新聞 2021/07/31 06:10

 鹿児島県は30日、県環境保健センターのゲノム解析の結果、県内の新型コロナウイルス感染者19人について、感染力が強く、「L452R変異」を持つインド由来の変異株「デルタ株」の感染が確定したと発表した。うち1人が海外で確認されている「E484K変異」を併せ持つと明らかにした。県内では初確認。

 厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策本部によると、同変異を併せ持つデルタ株の確認が国内初かどうかについては調査中。

 県内でデルタ株感染が確定したのは63人になった。県によると19人はいずれも7月に感染が判明した男性10人、女性9人。うち5人は県外への滞在や県外在住者との接触が確認されている。

 E484K変異はそれぞれ南アフリカ、ブラジル由来の「ベータ株」や「ガンマ株」などに見られる。県によると、デルタ株の同変異の確認は米国やメキシコを中心に100例程度確認されているという。

 デルタ株の同変異について鹿児島大学大学院の西順一郎教授=微生物学=は「E484K変異は免疫から逃れる働きがあり、デルタ株が従来から持つ免疫を回避する力を強める可能性がある」と指摘した。

 このほか県は英国由来のアルファ株2人の感染が確定したと発表。県内の変異株感染者は773人になった。

 また、6月から実施しているデルタ株のスクリーニング検査結果を公表。21〜29日は105人の検査を実施し、65人が疑い例となり、陽性率は前週(16〜20日)比13.5ポイント増の61.9%だった。

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